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2021年から「心がまえ」を意識して、目指している姿になる〜代表取締役社長 柿沼寛之〜



2021.04.14


こんにちは、広報の坂本です。



ノンピ2021年2月度キックオフで、柿沼社長(以下、柿沼さん)より


新たな行動理念「心がまえ」の発表がありました。



ノンピ「心がまえ」とは


経営理念【食の可能性を「探求変革」していくことで世界に笑顔を増やしていく】を目指す姿とし、それを実現するための具体的行動(tool)と相互補完するための3つの行動理念(mind)のこと。


1.Be the Dinner(食べるひとの立場にたつ)


2.with Joy(楽しみ、そして世界を変えていく!)


3.Believe No Limits(無限の可能性を信じる)



また、この『心がまえ』は土壌のようなものという例えでも、柿沼さんよりお話がありました。


土壌(=心がまえ)があり、そこに根(=ノンピスト10の約束)を張る。


幹(=戦略)が育ち、その幹から様々な枝(=事業)が伸びていく。やがて笑顔という花が咲き、実がなる。



基礎の基礎である、良い土を作ることが重要だということです。



この「心がまえ」に込めた想いやキックオフで話しきれなかった裏話を聞くべく


弊社代表取締役の柿沼さんにインタビューいたしました。




Q.「心がまえ」の本質とは?「行動理念」という名称にしなかったのは?


柿沼:「心がまえ」は、ノンピスト10の約束(行動指針)と両輪で目指している実現確度を高めていくため、いつも意識できるものとして考えました。



登山で例えるならば、エベレストを登ることと高尾山を登ることは、「違う」ということは容易に想像できると思います。私はエベレストに登ったことはないですが、富士山などの冬山には登った経験があります。登山で起こる事は机上で学びますが、実際に体験していないのでレベルが全然違います。5000m越えると空気が薄くて頭が痛くなる、マイナス60度になる、と知っていてもその世界を体験していないかた「じゃあ、マイナス60度ってどんなものなのか」は、わからないですよね。体験したことがない世界は、とにかくレベルが違います。想定していない事が起こり、想定していた事が起こらない事もある。想定していない事は、未知の世界であり、初めてぶち当たる困難です。そんな時に、踏ん張れる心の支えになるものが必要だと私は思います。



つまり、「心がまえ」というのは土壌でありながら、みんなの心の中の支えになる言葉でもあります。いついかなる時も忘れずに、こうあるべきだなということ。諦めそうっていう時こそ思い出してほしいです。何でも自分ごとにして、心がまえを実践していくことで変わっていく。小さな成功体験をしていくことが大切です。自分自信を仲間を鼓舞する意味でも3つの「心がまえ」を言葉に出して使っていってほしいです。



また「行動理念」ではなく「心がまえ」という言葉にしたのは、少しでも敷居を低く、堅苦しくならないようにしたくて、スッと腑に落ちたワードでした。恐らく社員の皆もしっくりきたのではないでしょうか。



「掲げて終わり」「書いて貼って終わり」「ただ唱和するだけ」、そうではないと思ってます。目的は何かというのは「浸透して、支えになり、成果になる」ということです。目的を達成するための手法です。手法を仕事と勘違いしないことです。


もう少しリアルな例えをするならば、料理の仕込みだけを「仕事」とは言わないと私は思っています。誤解のないように伝えたいですが、仕込みをした材料が料理になり、料理がお客様の元へ届き、お客様が食べて喜んでもらいお代を頂戴してこそ、「仕事」になると思っています。料理の仕込み=心がまえを掲げる というようなイメージです。仕込んだだけでは、何にもなりません。最後までやり遂げることが大事です。



常に会話の中にあるくらい浸透すること、「心がまえ」は浸透してこそ、そこがスタートです。





Q.どうして今、どういう経緯で?


柿沼:2018年7月にノンピ初の経営合宿にて行動指針「ノンピスト10の約束」を作りましたが、社内に浸透してきたかなという印象がありました。それは、四半期ごとに各自が振り返り、自己・他己評価する上でも「ノンピスト10の約束」を軸としているからでもあるかと思います。


ただ、10個あると常に意識するのは難しいのかなという思いもあり、またIPOが現実的になってきた今、より高みを目指すために必要なのが行動理念である「心がまえ」だと思いました。


実は役員合宿で、1年近い議論を重ねてきました。新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり、様々な視点で経営や事業を見直す機会もある中で、ノンピスト10の約束の浸透度や重要度などを話し合ったりしました。



他の企業を参考に、「心がまえ」の数を1つにするのか、5つにするのか、意見はありましたが、一発で覚えられるキャッチーなもので絞っていった時に、最終的にこの3つになりました。




Q.3つの「心がまえ」についてそれぞれ詳しく教えてください(1,Be the Dinner 2,with Joy 3,Believe No Limits)


1.Be the Dinner(食べるひとの立場にたつ)


「食べる人の立場に立つ」ということは、「食べる人のために」とは大きく意味合いが違う


自分自身が食べる人の立場になった時、その商品、そのサービスを、心から喜び感動するだろうか


食べる人の感覚は常に変化していく、基本を徹底し、変化に対応して、常にその期待の先の価値を提供し続けていく



柿沼:私は前の会社を含めて約25年経営をしていますが、結局これができていない会社は伸びないと言い切れます。街場で飲食店をやっていても、1年経つと同時期に開店したお店が全部なくなってるってこともあるくらい、世間って厳しいです。「食べる人(そのサービスを受ける人)」の立場に立つことが出来なければ、存在価値がない=存在できない(閉店)です。世界のTOP企業でも、“世界一お客様の立場で考える会社”というのを掲げているくらいです。



ノンピ創業当初は都内の西麻布に外食店舗を経営していました。自分のお店には全然お客様が来ない中、とあるお店だけが圧倒的にお客様が入っていました。その理由を探しにお店に見に行くと、価格とボリュームのバランスが良いことに気づきました。


そこで、色々考え直すことに決めたのです。まずは価格。【パスタ・サラダ・ドリンク950円】で提供していましたが、【パスタ780円】と【ドリンク・サラダ・デザート220円】として、セットで付けられるようにしました。セットにすると50円値上がりですが、選択肢を増やし効果的な価格設定にしたのです。


また、パスタの量を【1人前100g】から【1人前150g】にしました。男性と一緒にランチをする女性が「大盛りで」と頼みにくいのでは?という仮説を立ててやってみたのです。


そして、クリエイター職の出社が遅い人たちは13時や14時にラストオーダーとなってしまうと、ランチを食べられないということに気づき、「17時までランチ」も始めました。20席くらいのお店で当初はお客様10名程でしたが、いつしか150名にまで増えたのです。お客様が何を求めているか、ひとつひとつやっていくことでお店が存続できるようになるというのを実感しましたね。


新規出店する度に、こういうことをずっと繰り返しやってきていました。ペットと一緒にウエディングパーティーをやりたいというお客様の要望から、当時は誰もやっていなかったカフェウエディングを始めると、首都圏1位ウエディングレストランになり、200名規模のパーティーを1日3回も開催できるほどになったりもしました。


こういうことを一つずつやっていくのですが、成功事例を横展開せずに毎回新しいことを始めてしまうのは、私が反省しなくてはいけなことです(笑)つい新しいことがやりたくなっちゃうのですよね(笑)


でも、たくさんのアイデアがある分、自慢できるくらいの量の失敗を重ねてきています。だからこそ、「これは良いかもしれない!」「お客様にささるかもしれない!」という小さなファクトを見つけられると思ってます。このファクトのことを「金脈」というような言葉を使う人もいますが、私は「ビスケットの欠片」と呼んでいます。ビスケットの欠片を見つけることで、そこに1枚のビスケットがあったはずだ、と。今は小さな欠片しか見えないけれど、ここに絶対あるぞ!と思えるのですよね。つまり、ビスケットの欠片をみつけることが「Be the Dinner」です。



2.with Joy(楽しみ、そして世界を変えていく!)


未来は常にどのようにも変化しうる可能性で満ちている


どのような未来を想像するか 創造して行くか


ワクワクするような楽しい未来にしたい


私たちの今この取り組みが、未来を大きく変えている


今を生きる責任を持って、未来の人たちに感謝される仕事をしていこう


私たちの笑顔が未来を創る



これは、自然にできている人はいると思います。その楽しさに気づくか気づかないかで違います。有意義になるか、不幸になるか。小さな決断でも、その決断を長年続けた人とやってこなかった人の差は圧倒的です。楽しんでいるのかは人生の差であり、企業でいう成果の差です。真剣に楽しんでほしいし、「どうしたら楽しめるか」を実践している人の真似をしてほしいです。また、楽しめている時も「どうして自分は楽しめているのか」も、どんどん掘り下げていってほしいです。「成長」なのか「人が喜んでくれる」からなのか、自分が何に楽しめるか気づき、物事をそっちに寄せていく、自分を変えていく事です。



私は、愚痴と文句は言わないと決めて実行してきました。もちろん日数はそれなりに必要で、実行できるまで1000日かかりました(笑)当初は、「あ〜また今日も愚痴言っちゃた」と振り返る日々で反省し、一年の始まりには「愚痴と文句を言わない」と掲げていました。そして意識し続けていると、ふと愚痴や文句はなくなり、好転していくのです。問題が起きても誰かのせいにせず、どうしてこの問題が起きたのか?をすぐに考えられるようになります。


愚痴や文句に囚われて、時間を無駄にしてほしくないです。時間はお金より貴重ですから、とにかく楽しむことに時間を費やしてほしいです。わくわくするようなイメージを持って、前向きに。



3.Believe No Limits(無限の可能性を信じる)


食べる人に最高の笑顔になってもらうには今まだ見ぬ価値の提案が必要になる


当然ながら、困難が予想される


初めから妥協し諦めてしまえば、私たちの存在する意味はない


自分を信じ、仲間を信じ、無限の可能性を信じる先に、道は拓けて行く


困難を乗り越えるには自分自身を成長させなければならない、


そして高めあった一人一人の能力をチームファーストで取り組み、より大きな成長、成果を目指す



アインシュタインは「人類は世の中の1%も知り得てない」と言ってます。宇宙とかも含めての全部の世の中を。


ということは、言い換えれば、人生は伸びしろしかないと私は思います。自分が知識あるない、能力があるないとかはどうでもいい事です。だって世の中の本当のことがほとんどが未知だから。ということは全てが可能ですよね?真剣に信じていれば、なんでもできると思います。


どんな権力がある人も、100年前は携帯を持ってなかったし、飛行機に乗って雲の上の景色を見ることなんて出来なかったけど、今は誰だってできます。そんな世の中を信じ、そういう人達が生み出したからです。いつかドラえもんだって生まれて、どこでもドアもできる、それは信じることが大事です。こうやって新しいものが生まれているって、もう歴史が証明していますよね。


やる前から諦めていたら何もできないです。思ったようになっていくので、信じていく。我々が信じなかったら、我々の会社は絶対伸びないです。逆に、信じていれば圧倒的なところまで行き、可能性は広がります。



「諦めない」というメッセージも込めていますので、可能性は諦めたら終わりです。わからないことをわからないで切り捨てずに、疑いもせずに、自分や仲間を信じる姿勢が大事です。信じている人に物事が動く、という事実があるからです。



身近なことで言えば、こんなことも起きるのです。まったく別の位置にいて、お互いの声も届かない他人同士のお客様が、同じタイミングで同じ料理注文をすること。これは、シンクロニシティと言って飲食経営している人たちの中では結構有名な話なのですが、こういうことが度々起こるのです。もしかしたら、誰か一人がイメージした料理が脳から脳へ伝わった可能性もありますよね?何も根拠はないですが、これが事実です。


私自身もお店のオーナー時代は毎日暇で「またあのお客様ワイン飲みに来ないかな〜」「あのお客様最近来ていないな〜来ないかな〜」ってよく祈っていました。そうやって常連のお客様を思い浮かべると、不思議なことに本当に来るのです。これはロジカルな説明もないし、根拠もないことです。でも、事実。


世の中ほとんどわからないことだけど、根拠がなくても願いが強ければ絶対そうなるというのを、実体験してきています。


自分の能力を自分で止めずに、イマジネーションをして物事を作れるか、お客様を笑顔にできるか、信じることが大事です。






最後に。「心がまえ」がもたらす効果


柿沼:良い土壌があるから、木が育ち、やがて実になるという連鎖が起こります。そしてその実となった成果はまた土壌にもどっていきます。言い換えれば、心がまえがないと良い成果は生まれないということです。


絶対不可能と言われていた事を覆した「奇跡のリンゴ」で有名な農家の木村さんの話にもありますが、本当に大事だったのは土だったということです。そして、自然のチカラは強いということ。


土壌を作る(「心がまえ」が浸透する)ことで、その後の社員にもお客様にも世の中のためにも、循環していくことだ思います。


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今回のインタビューでは、掲げて終わり。ではなく浸透してこそスタートだという柿沼さんの強い想いが伝わりました。



特に【Believe No Limits】のお話の中で感じたのは、この言葉が柿沼さんそのものであることでした。これは一人ひとりの行動に対してのことですが、一方で「柿沼さんがこれだけ信じて進んできて体現しているのだから、その柿沼さんを信じていきたい」という気持ちにも繋がりました。



「心がまえ」に関して柿沼さんのお話を聞くのはキックオフ・あしたのごはん会議(全社員会議)・インタビューと3回目でしたが、インタビュワーの私に目線を合わせ、わかりやすい言葉で話してくださったことで、今までとはまた違った、より親近感のある内容でした。



もう既に馴染みのある言葉になってきていますが、「心がまえ」を掲げた初年でいかに染み付き、自分たちのものとして浸透していくか、また、それが今後の新しい何を生み出すのか、ノンピの一員としても楽しみです。


そして、これからも広報として「心がまえ」を意識した発信をしていきたいと思います。



柿沼さん、インタビューありがとうございました。







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