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2022年8月31日、ノンピ主催『食の未来を探究変革』ウェビナー第一弾を開催しました! サステナブルな取り組みを続けていくための秘訣とは?



こんにちは!サステナブル推進室の篠崎(しのざき)です。



株式会社ノンピでは昨年より「サステナブル推進室」を社内公募にて発足し、企業活動で排出される二酸化炭素の計測やフードロスの削減、プラントベースフードのメニュー開発などに取り組んで来ました。


ノンピが目指すゴールは世界から飢餓をなくすこと。まずは食を通して多くの笑顔を増やしていくために、これからは持続可能な食材を使用したメニューを考案したり、二酸化炭素の排出を減らす活動などサステナブルな取り組みが非常に重要になってくると考えています。


そこで今回はヴィーガン料理の第一人者である米澤さんとサーキュラーエコノミーを実現したクラフトビール製造を手がける田中さんの2名をゲストにお呼びし、ご自身のこれまでの実体験を交えながら、今後の取り組みをより加速させるために、これから求められる「食 x サステナビリティ」のあり方について、リアルな本音を語って頂きました。



◆実施に至った背景


昨年発足した「サステナビリティ推進チーム」の活動を進める中で、地球環境の変化や気候変動の深刻さに衝撃を受け、一企業として未来につながる地球に優しい活動をさらに加速させたいという想いが強くなりました。


そこで、ノンピのエグゼクティブシェフであり、ヴィーガン料理の第一人者でもある米澤さんとサーキュラーエコノミーを実現したクラフトビール製造を手がけるRISE&WIN Brewing Co.の田中さんとの3者でウェビナーを行い、参加者の皆様含めノウハウをシェアできればと考えました。



◆登壇者のご紹介


株式会社No Code 代表取締役


米澤文雄 様




1980年、東京都出身。恵比寿【イル・ボッカローネ】で修業後、22歳で単身ニューヨークへ。インターンを経て、ミシュラン3つ星店【Jean-Georges】で日本人初のスー・シェフに。帰国後【Jean-Georges Tokyo】立ち上げに関わり、料理長として活躍。


2018年秋、青山一丁目に自らプロデュースしたグリルレストラン【The Burn】をオープン、料理長として腕をふるう。現在は、The Burnを離れ株式会社No Codeの代表として飲食業の可能性を日々探求している。



株式会社スペック 代表取締役社長


RISE&WIN Brewing Co.


田中達也 様




1969年生まれ。徳島県出身。食品安全のための衛生検査所、スペック・バイオラボラトリー代表。地域の課題をテーマとした事業に関わったことがきっかけで、徳島・上勝町の活動に携わる。2015年、町が取り組む環境活動「ゼロ・ウェイスト」の理念に基づき、「RISE&WIN Brewing Co. BBQ&General Store」を立ち上げる。2016年、東京・東麻布に「RISE&WIN Brewing Co. KAMIKATZ TAPROOM」をオープン。2017年、ポートランドからビール醸造設備を導入し、第2醸造所とバレル庫、イーストラボを備えた複合施設「STONEWALL HILL CRAFT&SCENCE」を開設。2020年には10年越しのプロジェクトで、立ち上げにも関わった「上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY」をオープン。



◆当日のパネルトークテーマ


Q1. サステナブルな取り組みを始めようと思った「ターニングポイント」


Q2. サステナブルな取り組みを「継続させるコツ」


Q3. 日本のサステナビリティを加速させていくうえで「今必要と思うこと」


Q4. 食の未来(2030年)に向けて・・・○○に挑戦したい!一言




Q1. サステナブルな取り組みを始めようと思った「ターニングポイント」


1)自分の知見が広がってサステナビリティと結びついたタイミング


米澤さん:積極的に取り組むことは良いことですが、最初からやりすぎると長く続きません。一番大事なことは、アグレッシブにやりすぎないこと、細くても良いので長く続けることだと思っています。


そしてその取り組みを発信していくことがとても重要です。Chefs for the Blue*1の活動や自分がプロデュースした店をオープする中で得た知見が広がったタイミングがターニングポイントでした


*1Chefs for the Blue


サステナブルシーフードの啓蒙活動。


フードジャーナリストと東京のトップシェフ約30名を構成メンバーに、2017年に立ち上がった料理人チームです(2021年9月には京都チームも発足)。NGOや研究者、サステナブルシーフードを専門とするコンサルティングファーム、政府機関などから学びを得ながら、持続可能な海を目指した自治体・企業との協働プロジェクトやフードイベントなど様々な活動を行っています。





2)上勝町を盛り上げたいという使命感を感じた時


田中さん:上勝町の『ゼロウェイスト宣言』*2の説明をすると、どうしても煙たがられてしまい、耳の痛い話になってしまいます。もっと自然と取り組みを知ってほしいと考えているときに思いついたのが「クラフトビール」でした。ビール生産の盛んなアメリカのオレゴン州ポートランドで本場のクラフトビールを体感し、ビール用のマイボトル”グラウラー”の存在を知りました。美味しい生ビールを飲みたいから、マイボトルで自宅に持って帰るカルチャーがとても自然だと感じました。自分が「これならやりたい」と思う方向にどう持っていくか、それが自然とサステナビリティに繋がっていると継続性が生まれます。これを上勝町で実践すれば、わざわざ足を運んでくれる人が増えるかもしれないと思いました。



*2ゼロウェイスト宣言


未来の子どもたちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を継承するため、2020年までに上勝町のごみをゼロにすることを決意し、上勝町はごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)を宣言しました。



アメリカオレゴン州ポートランドのあるクラフトビール店にて



Q2. サステナブルな取り組みを「継続させるコツ」


1)頑張りすぎないこと


米澤さん:一歩ずつ、少しずつでも良いので、できる範囲から始めることが大事だと思います。日常に馴染んでいけば、それが自然と習慣になります。急に生活スタイルを変えることは難しいので週一回お肉を食べない日を設けたり、運動したり、少しずつ変化を持たせて、日々積み重ねていくことが重要ではないでしょうか。



2)カッコいいを見つける


米澤さん:料理だと美味しく作ること、綺麗に作ることを心がけています。当たり前ですが、美味しくないと長続きしません(笑)ファッションでも機能性や使い勝手が良くても、カッコよかったり、可愛かったりしないとそれを使い続けようと思わないのと同じです。


自分が立つお店では自分がエンドユーザーの立場に立って考えるようにしています。自分が行きたい場所、食べたいもの、払いたい金額から逆算して構成するようにしています。


米澤さん考案のカリフラワーステーキ カルダモンと自家製アリッサ


3)まずは行きたくなるような取り組みを行い、繰り返し来たくなる仕掛けを作る


田中さん:繰り返し訪れたくなる町づくりを心がけて、継続した関係性を築こうとすると、説教めいた事だけ言っていても続きません。まずは自分自身の実体験から「出来立ての生ビールがあると行ってみたい」と思えるようにするにはどうしたらよいか?と常に自分自身に問いかけています。常に新しいものが生まれればまた行きたくなるのではないか、と自分の中の上勝町に行きたくなるポイントを作っていきました。「無理のない中で一つずつ変えてみること」が継続するコツだと考えています。



Q3. 日本のサステナビリティを加速させていくうえで「今必要と思うこと」


1)続ける人にご褒美をあげる


米澤さん:続けやすい環境を作るために、実践している人たちに対して何かしら還元できる仕組みづくりがあっても良いのではないかと思います。例えば、ごみの量を減らせたら商品券がもらえるなど。ご褒美は人が続けられる一つの要素だと考えています。例えば、SNSを活用してサステナブルな投稿をすると何かもらえるような、誰でも参加できるレベルの取り組みからスタートしてみてはどうでしょうか。取り組む人数が徐々に増えてくれば、さらに加速していくと思います。



2)自分のベネフィットになることであれば好んでやる方はいる


田中さん:私も米澤さんの意見に同意します。再生資源として活用できるゴミをしっかり分別した人にはポイントを付与して、日用品と交換できるとか、飲み終わった空瓶を送ってもらうと、吹きガラスのアーティストとコラボして、新たなガラス製品として返ってくるなど。自分が進んでやりたいと思う方向に気持ちを持っていってあげて、”ちょっとした良いこと”を組み込んでいく工夫が必要なのではないでしょうか。



Q4. 食の未来(2030年)に向けて・・・○○に挑戦したい!一言


1)ゴミとしてしか扱われたかったものをアップサイクルする


これまではゴミとして出されていた廃棄物や食品を新らしいものに生まれ変わらせてアップサイクルしていきたいと思っています。RISE&WIN Brewingではビールを作る際に排出されるモルト粕を液肥化して、苗に肥料として撒き、育った麦でビールを作るサーキュラーエコノミーを実現しています。さらに将来は一歩進んだ取り組みとして、液肥ではなく人間が食べれる良質なプロテインや乳酸菌など人間が健康になるものを生ゴミからアップサイクルさせたいと考えています。



2)自分自身が思う”楽しいこと”に挑戦したい


米澤さん:これまで自分の興味や好きなことをこれまでやってきましたが、それが現代が抱える問題や課題に重なっていました。時代の流れに合わせて、必要と感じることを楽しみながらやりたいと思っています。「あまり決めすぎない」ことが自分のテーマでもあります。



◆最後に


第一回にもかかわらず大変多くのお客様にご視聴いただくことができました。


弊社の社食サービスを導入頂いている企業の担当者様や『nonpi foodbox™』を利用頂いたことのある方々、また食品メーカー様やオフィス関連の企業様などさまざまな業種の方々にご参加頂きました。業種に限らずサステナブルな取り組みに関心があることを認識したと同時に、弊社としても取り組みを加速させて行こうと感じました。


今後も第二弾、第三弾と新たな登壇者を交えて『食の未来を探究変革』しながら、皆さまとディスカッションできればと思っております。次回もぜひ乞うご期待ください。


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