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「美味しい」で繋がった、能登で頑張る人を応援したい。~看護師 田中美穂さんと対談~




こんにちは、広報の坂本です。
ノンピ本社は東京にありますが、実は離れた石川県能登と繋がりがあります。
その繋がりは「美味しい食」が深めたもので、これからもお互いの活動を支え合う大事な存在であります。
今回、この繋がりとフードコミュニケーションカンパニーとして“私たちにできる応援”について紹介させていただきます。

対談
田中美穂さん(能登/看護師)、松田康平(ノンピ事業部長兼料理長)、坂本いずみ(ノンピ広報)

▼INDEX

年始に社食で提供した「香箱カニ」のご縁

社食で能登応援メシのイベントを開催

能登産業の今

私たちができる能登の応援



年始に社食で提供した「香箱カニ」のご縁
坂本〉田中さんとノンピの繋がりについて、聞いてもよいでしょうか?

松田〉私を含めた役員3名で石川県に出張へ行った日に初めてお会いしました。

田中さん〉この時は商談で石川に来ているとのことでしたが、「ついでに香箱カニを食べるのも楽しみにしてきた!」と聞き…びっくりしたのが印象的でした。というのも、こちらでは香箱カニは近所の漁師さんにもらうもので価格もスーパーで100~200円で手に入ります。東京の皆さんにとっては高価なもので特産品として楽しみにしているものだと知り、驚きました。

松田〉そうなんですよね。こちらと感覚が全然違ったので、私たちもびっくりしました。

田中さん〉私は看護師なのですが、漁業のお手伝いをしていたのもあり、何か繋がりをお手伝いできるかなと思いました。実際に漁業組合の方にお繋ぎして、社食用に卸すことになったと聞きました。

松田〉本当に破格の卸値で香箱カニをご用意してもらいました。せっかく良いものをいただいたので、丁度時期が1月だったのもあり、新年の縁起物にもピッタリだなと思いました。ノンピが運営する拠点で約1000名のお客様へ能登の旬メシ”贅沢 香箱カニの味噌汁”を提供できました。「また来年も食べたいな」っていうお客様の声も多くいただいて、良いコミュニケーションを生むイベントとして大盛況でした。

坂本〉実はこのやり取りは震災前だったのですよね。まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした。この時は「社食でカニ?!」とびっくりした方も多かったようで、本当に豪華で皆さんに喜んでいただけましたし、社内でも話題になりました。


社食で能登応援メシのイベントを開催

坂本〉その後、ノンピでは社食で能登応援メシのイベントも開催し、一部店舗では募金箱も設置して微力ながらも能登を応援できることを考えて実行してきました。
イベントブログ:https://www.nonpi.com/post/notolunch

松田〉実際にランチを召し上がった方からは「いつもこのお米にしてほしいくらい、ご飯が美味しかった!」「石川のために何かしたいと思ってたけど何もできてなかったから、食べることで応援できて良かった!いいことができて嬉しいです」等のお声もいただきましたね。石川県の食材を仕入れ、美味しい料理を作り、提供することが少しでも応援に繋がればいいなという思いが届いたように思います。

田中さん〉遠く離れた東京でも、能登のことを考えてくださっていてありがたいです。



能登産業の今
坂本〉今、能登の産業はどのような状況なのでしょうか?

田中さん〉私が知る限りにはなりますが…能登って漁業、農業等の自然の中で働くことが当たり前なんです。漁師をしながら農業をしている人もいるくらい。また、食に対しても“自然の中からいただくものを大事にする”という文化もあるので、自分たちで作り食べることを守っていきたいと考えている人が多くいます。しかし、地震の影響で山は崩れ、田んぼも割れて水も溜まらず。田植えの時期でしたが例年の1/3程度しか植えられなかったというのも聞きました。農作業用の機械も瓦礫の下敷きになり、津波の被害で沈んでしまったものもあります。物理的なダメージだけではなく、これらの影響は町民の精神的にもひどくのしかかっています。

松田〉町民の心の支えにもなっている産業ができなくなってしまっている状況を実際に田中さんから聞いて、胸が痛く心配です。他人ごとにしていたらいけないなと思いますが、「かわいそう」という同情ではなくポジティブな転換で「頑張ってほしい」「応援したい」という気持ちになりますね。

坂本〉そうですよね。こういったお話を能登に住む方から直接聞く機会はなかなかなく…“このくらい復興は進んでいるのかな”という勝手に想像してしまっていた部分もあり反省します。被災に遭われた皆さんが町や自分たちの生活を守るために、苦しい思いをされていることを改めて実感しました。


私たちができる能登の応援
坂本〉田中さんは看護師をされていて、今まさに「どうにかしたい!」という強い想いで、町のために動いていると聞きました。

田中さん〉地震後、能登から離れてしまった人もいますが、水道が通るようになって少し戻ってきた人もいます。もちろん、今もなお水道が通っていなくても家はかろうじて住めるからとずっと残っている人もいます。そんな中、病院や医療機関は再開できない状況が続いており、病院自体が閉業もしてしまっています。
町には高齢者が多く若い力もないので、絶対的に支援が必要な状況です。町に残っている人、帰ってくる人のためにも、在宅支援ができる環境を早急に作る必要があると思っていて、個人で訪問看護ステーションを立ち上げることを決心しました。元々、将来いつかは…という想像はしていましたが、震災を経て現状を目の当たりにした時、急を要すると思いました。
そこでクラウドファンディングを立ち上げ、訪問看護ステーションを創るために一歩踏み出しました。


坂本〉現在も既にたくさんの応援が集まっていると思いますが、まだまだ支援が必要ですよね。このクラウドファンディングに際した訪問看護ステーションを創ることはどなたかと一緒に進めているものなのでしょうか?

田中さん〉このクラウドファンディングの発信をしてからSNSのDMで「一緒に働きたい」等と県内外問わずご連絡いただいていて嬉しい限りですが、この立ち上げ自体は完全に個人で始めているものなので、私ひとりで奮闘しています。

松田〉助けにはいろんな人のチカラが少しずつ必要だと思ってます。
ノンピは大きな会社ではないですが、クライアントさんのビル就業者の方は本当に多くの方がいらっしゃいますので、この想いがノンピで運営する社食を利用する人々の目に留まり、応援へ繋がっていったらいいなと思っています。カニも喜んでいただけましたし、また復興が進んだ時に能登の美味しいものを食べれるかもしれないという〈美味しい希望〉も見せられたらいいなとも思います。
みんなが田中さんを応援して、みんなでまた美味しいものを食べられたらいいな、笑っている姿になってほしいな、と願っています。

田中さん〉ノンピさんとは、こんなに応援してもらえる関係になれるとは思ってもいませんでした。立ち上げにはまだまだ資金は必要ですし、自分も不安な気持ちも続いています。でも、応援してくださる方からのメッセージを読むと、本当に涙があふれて感謝の気持ちでいっぱいですし、頑張らなきゃいけないなと思います。
ノンピさんにも感謝でいっぱいです。本当にありがとうございます。

坂本〉「カニ」で繋がったご縁ですが、ノンピが美味しい食事をお客様に提供できて喜んでもらえたことは、ひとつ田中さんがいてこそだったので、こちらも応援するために何かできることがあればと思ってます。そしてまた、産地の美味しい「食」で繋がり続けられたらいいなと思っています。

田中さん〉はい!また、美味しいものを繋げられたら嬉しいですし、またこちらに来ていただく機会があれば全力で歓迎させていただきます。



微力ながらも“応援したい”という気持ちが、より多くの方に届きますように。
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